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西村ツチカ

2019-09-13

画集について打ち合わせをしました。玄光社さんでは、前に雑誌「イラストレーション」で西村ツチカの特集を組んでいただきました。

装幀を担当してくださるのは大島依提亜さんです。大島さんは数々の素敵な装幀を手がけられている方です。自分にとって最近ものすごく最高に印象的だったのは「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」の図録です。表紙の黒箔押しから本文の紙からメチャクチャかっこいい本なのですが、内容のほうも小説版ムーミンや絵本版ムーミンの挿絵だけでなく、広告などの仕事、アトリエなどトーベ・ヤンソンに関する写真、作風の影響関係を考察したコラムや、来日時にホテルに残したラクガキや試し書きまで、300ページを超える盛りだくさんな内容で、さらに小さな冊子が綴じ込まれているという遊び心までもある楽しい本でもあり、トーベ・ヤンソンのファンである自分は手にとった時に感激が押し寄せました。最高なので、ムーミン好きの方はぜひ手に入れてください。

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西村ツチカ画集は、自分が今までに描いた絵と短いマンガを、大島依提亜さんに全部見ていただいた上で、大島さんに選んでいただきデザインしていただくという方法で作ることにしました。なので時系列はバラバラで、テーマもなくて、網羅的な本でもないです。この方法にしたわけは、自分の描いた絵は(漫画もですが)作風がそのつど変わり、時系列順に並べても一貫性がなく、いったん忘れた作風を何年か後に思い出してまたやったりもするので、絵をどうやって並べたら楽しんでもらえるか、編集者さんもまじえて3人で相談した結果、時系列やテーマにこだわらない自由な感じで、楽しさがつながっていくような内容にしようと決まりました。広告のお仕事もラクガキも一緒に並びます。ページ数の関係で載らないものもたくさんあります。楽しんでもらえたら幸せです。


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↑画集の束見本。

なぜ作風が安定しないのか、何とも言えないです。その時その時で一番良いと思う描き方をしていたらこうなりました。多くの作家さんは、絵を描きはじめた当初は、色んな作風を試みると思います。それを今も続けているのです。一個の作風に一生しっくりくる感覚はまだなくて、読む人によっては自分が思っているより難物かもしれません。作風は作家性だという意見もあると思います。そういったことにもかぎらず、いろいろな点で自分は未熟だと思います。でも、こうしてある程度の点数をまとめて見ると、楽しさが何となく伝わってこないでしょうか。そうなったらいいなと期待してます。

10月末頃に出る予定です。








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by tsuchika | 2019-09-13 19:45