西村ツチカ

2018-03-02

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【2月23日】
神戸に着きました。
【2月24日】
妹の結婚式でした。幸せに暮らしてほしいです。
【2月25日】
神戸北野異人館街へ行きました。




長年神戸に住んでいても行動圏には中古CD屋と古本屋のみ。ここには初めて訪れました。異人館街とは、坂道の多い北野町に、異人館と呼ばれる歴史ある洋館がいくつか密集している神戸の観光名所です。坂道入口にスターバックスコーヒー神戸北野異人館店があり、この店舗も異人館よろしく歴史ある洋館を改装した珍しいコンセプトストアとして有名です。自分は一度だけそこでコーヒーを飲んだことがあります。しかしJR三宮駅で異人館街案内マップを入手したところ、そのスタバが一切載っていませんでした。なんで?

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駅から北へ15分ほど歩きます。異人館はそれぞれドイツやイタリアなどヨーロッパの国をイメージした美術品の展示、レストラン、喫茶店などがあります。各館で入館料を払うかもしくはフリーパスを買います。中にはトリックアート館、座ると何か良い効能があるサターンの椅子など、べつに国柄と関係なさそうなものも多く、ゆるいです。案内してくれた先輩が「この風見鶏の館は『アドルフに告ぐ』に出てくるよ」と教えてくれました。

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英国館に入館。入口でシャーロック・ホームズっぽい帽子とマントを貸してもらえ、それを着て二階に再現されたシャーロック・ホームズの部屋でコスプレ写真を撮れます。ケルト音楽が流れ、暖炉やユニオンジャックがあり、至る所に「Baker Street」や「Queen's Garden」と書いてありました。庭へ出ると、ここで告白したカップルは幸せになれるという「告白の樹」があり、それはべつに英国とは関係ありませんでした。

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坂道をめぐる途中、どこからかクラシックぽい音楽が聴こえてきたと思ったら、いきなり目の前に開けていた廃墟。ここは本家オランダ館という建物だったそうで8年前に閉館したとの張り紙が。いくらゆるいとはいえ人気の観光名所なのに、こんないかつい廃墟が放置されているとはビックリです。そのとき先輩が「5年前、この近所で大麻製造工場になっていた一軒家が摘発されたよ」と教えてくれました。

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とても神戸ぽいです。それは廃墟が震災後を思い出させるのではなく、観光名所なのに地域の足並みが揃ってないところ。昔は港町だったためジャズや映画など外国文化の先端だった気風が、神戸には今も随所に残っていると思います。外国趣味で飾りつけ、異人同士がたとえ一瞬でも一緒に楽しく踊れたらOKなニュアンスを感じます。そのニュアンスを自分は神戸ぽさだなぁと感じます。ルミナリエも「世界一のクリスマスツリー」も、鎮魂という名目をすぐ掲げるものの、市をあげて真剣に取り組む責任感にふさわしいモニュメントというよりは、間に合わせのハリボテのように感じます。でもそういうのが神戸の良さでもあると思います。

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本家オランダ館が廃墟化している間に、歴史ある洋館というお株すら駅近くに位置するスタバに奪われ、そっちが繁盛していてむかつくのか、異人館街マップには載せない。ちょっと神戸の悪い面ばかり強調しすぎました。自分は、日増しに衰微するこの町の刹那的で多様性ある個人主義な気風を、百貨店や絶滅種に重ね合わせてマンガに描いているところです。
神戸北野異人館街は想像していたより神戸ぽさを味わえて、楽しかったです。

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by tsuchika | 2018-03-02 12:57